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離婚後300日問題と無戸籍児問題

2015年8月25日 豆知識 

皆様、こんにちは。

8月も終盤を迎え、蒸し暑い日が続いておりますが、夏バテなどされておりませんでしょうか。
今回は巷で「離婚後300日問題」、「無戸籍児問題」といわれている、民法772条の嫡出推定制度について書いてまいりたいと思います。

1 離婚後300日問題、無戸籍児問題とは
  民法772条では、婚姻中に懐胎した子を夫の子と推定し、婚姻後200日を経過した後又は離婚後300日以内に出生した子は婚姻中に懐胎したものと推定すると定めています。
  そこで、女性が離婚してから300日以内に生まれた子は、元夫と別の男性の子であることが明らかな場合でも、元夫の子と推定されて、戸籍も元夫の子として届け出なければならなくなってしまい、戸籍に記載することができなくなってしまうという問題が発生します。

2 離婚後300日以内に生まれた子が元夫の子でない場合どうすればいいか
  方法は、(1)元夫から嫡出否認の手続を取ってもらう、(2)子、血縁上の父から親子関係不存在確認の手続を取る、(3)子又は母から強制認知の手続を取るという3つの方法があります。
  (1)嫡出否認の手続を取ることが原則となっており、(2)親子関係不存在確認、(3)強制認知手続を取るためには嫡出推定が及ばない事情、つまり、「妻が子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する」ことが必要となります。
  (1)嫡出否認の手続は元夫に調停の提起を依頼することになりますが、(2)親子関係不存在確認、(3)強制認知手続は女性側から起こすことができ、(3)の手続のみ元夫が関与せずに済むということになります。
  なお、離婚後300日以内に出生したときでも、離婚後に懐胎したことが医学的に証明できる場合には、出生届とともに意思が作成した証明書を戸籍窓口に提出することで出生届を提出することができます(平成19年5月7日法務省民事局長通達)。

3 戸籍の届出はどうすればいいか
  2の裁判手続終了後、戸籍窓口において、出生届、裁判書の謄本、確定証明書を提出します。
  2において、(3)強制認知手続を取った場合のみ、血縁上の父親が戸籍の父欄に記載されます。

4 戸籍に記載されるまでの間はどうすればいいか
  出生届が提出されていない場合であっても、親子関係不存在確認や強制認知の手続等を取っていることの疎明資料が提出された場合、市区町村長は職権で住民票に記載することができます。こうすることにより、行政サービスも受けられるようになります。

 以上のように、いわゆる「離婚後300日問題」、「無戸籍児問題」は、子の福祉の観点からもスピーディーに解決すべき問題です。
 嫡出否認の手続については、元夫が子の出生を知ったときから1年以内に行う必要があり、それ以降ですと、仮にDNA鑑定などで元夫の子でないと明らかになった場合でも嫡出の推定を覆せません。これについては、最高裁判所が平成26年7月17日判決において、DNA鑑定などの科学的証拠よりも嫡出推定の規定が優先されることを明らかにしています。
 弁護士法人アドバンスでは、「離婚後300日問題」、「無戸籍児問題」について取り組ませていただいております。
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