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2015年9月22日 労働問題

皆様こんにちは。
この大型連休を思う存分に楽しまれている方、
また世間の休みとは関係なく、お仕事に励んでいらっしゃる方も多いのではないのでしょうか。
そこで本日は労働問題についてお話しいたします。
 
退職後に、元の会社と競業する事業を営む他者に就職した、
あるいは元の会社と競業する事業を営む会社を設立した
場合に元の会社とトラブルになるケースがあります。
 
退職時には円満ではない形で会社を去るケースが多く、
その際の「しこり」が競業避止義務違反の問題として噴出することが多いようです。
 
憲法上、人には職業選択の自由(憲法22条1項)が保障されています。
そうである以上、従業員として会社と雇用契約を結んでいる労働者は、
在職中はともかく退職後には競業行為を避けるべき義務は負わないのが原則です。
 
したがって、退職後に競業行為をしないことを内容とする誓約書を提出するなど、
会社との間で競業避止義務について個別に合意をしていない場合には、
競業避止義務違反を理由に法的責任を問われることはありません。
 
では、そのような契約書に既にサインをしてしまったという場合には、
退職後の競業避止義務を負わなくてはならないのでしょうか。
 
これに関しては、以下のように示した裁判例が参考になります。
(もっとも以下は監査役の就業規則が問題となったものです。)
 
「(競業避止を定める特約は、在職中の場合であればそれ自体不合理とは断言できないが)
契約終了後は職業選択の自由の行使として競業行為であってもこれを行うことができるのが原則であるところ、
・・・契約終了後の競業避止を定める特約が公序良俗に反して無効となる可能性を否定することはできず・・・)
(東京地方裁判所 平成7年(ヨ)3587号 営業禁止仮処分命令申立事件)
 
そして本判決は、
①元監査役の貢献度に比して退職金が少なく、
これが競業避止を課す代償としての支払とは認められないこと
②競業行為の禁止される場所の制限がなくあまりに広範であること
などを理由として、
本件就業規則は元監査役に対して不当に厳しい制限を課したものであり公序良俗に反し無効である。
と判断して、会社側の差止請求を退けています。
 
会社側は強い立場にあるため、
私たちは自らの意に反する契約を締結せざるをえない場合もあります。
もっともそのような場合でも上記裁判例は参考になるのではないでしょうか。
 
万が一競業避止義務等の不利益な条件の入った契約書にサインしてしまった!
などの事態が起こっても、泣き寝入りせずにご相談頂ければと思います。
 
その他、アドバンスでは労働関係に関する問題を多く取り扱っております。
是非お気軽にご相談ください。


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