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VR(バーチャルリアリティ)と法律

2017年3月28日 システム開発

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2016年は「VR元年」と呼ばれた年でした。
VR(virtual reality=バーチャルリアリティ)とは、コンピュータ上に人工的な環境を作り出し、あたかもそこにいるかの様な感覚を体験できる技術です。 日本語では「仮想現実」と呼ばれます。ゲーム業界がいち早く取り入れ、VRを体験できるアミューズメントパークができるなど、世間を大きく賑わせています。エンターテインメントとしては非常に魅力的ではありますが、その安全性や問題点について関心をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

  

VRを利用した機器を使用した際に考えられる問題の一つとして、「VR酔い」と呼ばれる使用中の不快感や吐き気が挙げられます。このようなVR体験に起因する怪我や不調は、誰に責任があるのでしょうか。

  

例えば、欠陥のある商品を販売した小売店には、民法570条の規定する売主瑕疵担保責任に基づき一定の範囲で責任が認められることになります。しかし法律的な責任の範囲はせいぜいその商品の代金程度にとどまり、命や健康に対する救済にはなりません。小売店は自分で設計したり製造したりしているわけではないので、欠陥についての過失責任が認められることは稀でしょう。

  

また欠陥品を製造したメーカー自身に責任を負わせようとしても、メーカーと消費者との間には、直接の契約関係は存在しないので、民法では709条以下に定められた不法行為責任により責任を追及するほかありません。これを「過失責任の原則」といいますが、この場合、訴えた消費者の側が過失を立証しなければならないので、責任追及はなかなか難しいでしょう。

  

ここで、このような困難さを解消するためにメーカーに対して無過失責任を負わせたのが、PL法という法律です。この法律は,製造物に欠陥があり使用者が損害を被った場合、小売店などを飛び越えて、直接メーカーに対し無過失責任を負わせ、損害賠償責任を追求できるというものです。この欠陥とは、商品自体に欠陥がある場合はもちろんのこと、適切な説明がなされないという説明不足による欠陥も含まれます。メーカーとしては、安全な設計をすること、設計どおりに製造することだけではなく、取扱説明書などで、安全に使うための情報を提供することが求められます。

  

裁判になった場合は、使用者に落ち度はなかったのか、などの問題が生じてきます。消費者としては、説明書をきちんと読み、正しい使用方法を守ることが必須だと言えるでしょう。新しい技術の発展が目覚ましい昨今、それに伴う法整備にも注目ですね。



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