アドバンスとは取扱業務弁護士・スタッフ報酬規程アクセス採用情報
HOMECOLUMN

「送料無料」「24時間営業」の見直しから考える「労働時間」

2017年6月19日 労働問題

ヤマト運輸は宅配サービスの一部縮小へ

皆さま,こんにちは。

いつも弁護士法人アドバンスのコラムをお読みいただきありがとうございます。

デパートなどではお中元商戦の季節となりましたが,「インターネットでのご注文なら全国送料無料」の宣伝につられ,ネットでお中元を手配した方もいらっしゃるのではないでしょうか。また日常的にネット通販を利用している方も多いと思います。

 

そんな中,宅配最大手のヤマト運輸は、6月19日から、時間帯指定の配達のうち正午から午後2時までの指定を廃止するなどサービスの縮小に踏み切りました 。ドライバーの長時間労働を減らすためです。

 

厚生労働省は「長時間労働削減推進本部」を設置し,違法な長時間労働を繰り返している企業に対する指導・公表をしています。ヤマト運輸は,昨年8月に労働基準監督署の是正勧告を受け,違法な長時間労働や残業代の未払いが明るみに出ました。

今年4月に公表されたヤマト運輸の社内調査によると,約4万7千人分の残業代,計約190億円が未払いだったとのことですが,6月21日にはこれが更に40億円程度増加するとの発表があり,実態はまだ不透明のようです。

ドライバーの長時間労働の背景には,まず荷物の増加があります。スマホやPCで商品を簡単に注文でき,送料無料といったサービスも消費者をひきつけたため,ネット通販は急成長しました。また慢性的な人出不足もあげられます。

配達の時間指定や夜間の配達など私たちにとって便利なサービスは,昼休憩も満足に取れないようなドライバーの過酷な労働に支えられていたのです。

 

24時間営業の見直しも広がる

また,宅配業界だけでなく,スーパーやデパートの営業時間短縮やファミリーレストランの24時間営業の取りやめなど,サービスの見直しが相次いでいます。24時間,年中無休のお店は普段あたり前のように利用していますが,人手不足を背景にこれらの便利さも現場の長時間労働につながっていたと言えそうです。

 

始業前の着替えや清掃、会社から参加を指示された研修も労働時間になる?

私たちは,消費者にも労働者にもなりえます。労働者の犠牲の上に成り立っている便利な暮らしを私たちは本当に望んでいるのでしょうか。

まずは労働者の立場から,ご自身の労働時間を見直してみませんか?

 

労働時間とは,使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい,使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たります。

そのため,例えば,

ア,使用者の指示により,就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間

イ,使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており,労働から離れることが保証されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)

ウ,参加することが業務上義務付けられている研修・教育訓練の受講や,使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

などは労働時間として扱わなければならないとされています。

 

このような業務に従事しているにもかかわらず,労働時間としてカウントされていない場合,未払賃金や残業代を請求できる可能性があります。未払賃金や残業代の請求は,もちろん自身の経済的利益の確保でもありますが,同時に,会社における労務管理の適正化,ひいては社会における労働時間の見直しにもつながるものでもあるでしょう。気になることがございましたら,お気軽に弁護士法人アドバンスまでお問い合わせください。


今回のコラムに関する業務

このコラムを読んだ人は、こちらの記事も読んでいます。
2016.11.08  労働問題の解決方法
2015.09.22  同業への転職は違法!?
2017.01.10  アルハラ(アルコール・ハラスメント)とは
2016.10.04  従業員から残業代を請求される前に経営者がやるべきこと
2016.05.03  労働問題はアドバンスにおまかせください