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若者からシニアまで銀行カードローンによる個人破産が急増!?

2017年8月21日 債務整理・過払い金

皆さま、こんにちは。
いつも弁護士法人アドバンスのコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、安心と利便性を売りに急拡大している銀行カードローンについてお話したいと思います。

 

銀行の過剰融資により個人破産が急増

裁判所の司法統計によると,個人の破産の申立件数は、2003年の約24万件をピークに毎年減少していましたが、216年の申立件数は前年比1.2%増の6万4871件と13年ぶりに前年を上回りました。

 

その原因として、近年急拡大している銀行カードローンの過剰融資が挙げられています。
テレビやインターネットで銀行カードローンの広告を多く目にしますが、貸出金額はこの5年で60%増の5兆4377億円に達し、2015年には消費者金融の貸出を上回っています。

 

この背景には何があるのでしょうか。

 

「貸金業者」とは? ~銀行は貸金業法の総量規制の対象外

貸金業法は、消費者金融などの貸金業者や、貸金業者からの借入れについて定めている法律です。

 

1990年代から2000年代初頭にかけて、大々的なテレビCMや無人契約機などのテクノロジーの進化により業績を急拡大させた消費者金融(いわゆるサラ金)やクレジットカード会社からのキャッシングにより、返済しきれないほどの借金を抱えてしまう「多重債務者」の増加が深刻な社会問題となりました。この間、弁護士による裁判闘争や社会運動などを通して、多重債務者に有利な判例が出されるなどした結果、政府もようやく重い腰を上げ、2006年に改正貸金業法が成立し、2010年に施行されました。

 

この法律のポイントの一つが「総量規制」です。「総量規制」とは、借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐために設けられた規制です。具体的には貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は、新たな借入れはできなくなるという内容です。この法律の規制や過払金請求の広がりにより、消費者金融は業績を悪化させ、貸付額を年々減少させています。

 

ところで、貸金業法の対象となる「貸金業者」とは、お金を貸す業務を行っており、財務局又は都道府県に登録をしている業者のことをいいます。消費者金融、クレジットカード会社などがこれに当たりますが、銀行は貸金業者として扱われません。

 

銀行は、日本銀行の金融政策による金利低下や企業の資金需要減などによって、本業である貸し出しが伸び悩み、収益環境が厳しくなっています。そこで、住宅ローンや企業向け融資よりも高い金利で貸し出せるカードローンを収益の柱に据えて、積極的に取り組むようになりました。総量規制の対象とならない銀行は、借りられる限度額の大きさをアピールすることで消費者を集め、融資を膨らませています。

 

朝日新聞の調査によると、多くの銀行がカードローンで年収3分の1を超える貸付けを行っています。中には年収を上回る貸付があるなど、銀行が高額な貸付を行っている実態が明らかにされています(朝日新聞DIGITAL「銀行カードローン、高額融資 80行 年収3分の1超」(2017年4月21日))。

 

銀行と消費者金融の甘い関係

では、なぜ銀行は簡単にお金を貸してくれるのでしょうか。ここで鍵となるのが「保証業務」という仕組みです。多くの銀行カードローンは「保証人は不要」としつつも、「保証会社の保証を受けること」を利用条件としています。そして「保証会社」は、消費者金融などの貸金業者です。

 

たとえば、三菱東京UFJ銀行はアコム、三井住友銀行はSMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)と、グループ内に保証会社を抱えています。

 

銀行は保証料を消費者金融に払い、審査を請け負う消費者金融は、もし利用者が返済不能になった場合、銀行の損失額を全額保証します。そのため、銀行は一切損をしせん。

一方、消費者金融も、銀行から多額の手数料を受け取られるため、たとえ一部の利用者が返済不能になったとしても、全体として利益は得られます。

 

全銀協の対策、そして困ったときには弁護士へ相談を

以上のような背景により、銀行カードローンで借りる消費者が急速に増えた結果、返済できないほどの借金を抱えてしまう多重債務者が増え、個人の破産が再び増加したと考えられています。では、銀行の過剰融資への対策はとられているのでしょうか。

 

監督官庁である金融庁が過剰融資に懸念を示したことで、全国銀行協会(全銀協)は、加盟行に対して、消費者保護などの観点から申し合わせをしました。17年3月に、①簡単にたくさんのお金が借りられるようなイメージを与える配慮に欠けた広告・宣伝を抑える、②消費者の収入状況や返済能力をより正確に把握し、消費者が過剰に借り入れないよう、審査態勢を整備する、などが公表されています(一般社団法人全国銀行協会「銀行カードローンに関する全銀協の取組みについて」(平成29年6月))。

 

また、国内の各銀行が来年1月からカードローンなどの個人向け新規貸し出しに関し、即日の融資を取りやめる見通しとなっています(日本経済新聞電子版「銀行、個人向け即日融資停止へ カードローン縮小」(2017年9月15日))。併せて、家族からの申し出により,新規貸し出しができないようにする「貸付自粛制度」の導入も検討するようです。

 

私たちは「銀行だから安心」と考えてしまいがちです。また、銀行カードローンは無担保で、短い審査時間で融資が受けられるほか、銀行やコンビニエンスストアのATMで気軽に利用・返済ができ、魅力的に映ることもあります。しかし、ご自分の返済能力に見合った利用にとどめることが大切です。

 

債務の支払が厳しいからと別のカードローンや消費者金融に手を出して雪だるま式に膨らんだ借金は、利息が利息を呼び、自分自身ではどうしようもなくなることがあります。そんなときは弁護士の出番です。任意整理、自己破産、個人民事再生などの方法で、経済的に立ち直る援助が得られます。

 

まずは、お気軽に弁護士法人アドバンスにご相談ください。借金問題の経験豊富な弁護士が全力でサポートさせていただきます。


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