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ヤミ民泊に思うこと

2018年2月28日 不動産

横行するヤミ民泊

住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」が今年の6月15日から施行されることとなっており、来月15日からは、先行して民泊の届け出(住宅宿泊事業者の事前受付)が始まります。

これにより、民泊が全国で解禁され、個人や企業は各自治体に届け出れば、一定の条件のもとで年間180日を上限に民泊の営業ができるようになります。

一般の住宅に旅行客を有料で泊める「民泊」をめぐっては、2020年に開かれる東京オリンピックを見据えたホテル不足の解消や、外国人観光客を積極的に取り入れるインバウンド観光政策の一環として、これまで政府が積極的に打ち出してきました。2016年には2400万人を突破した訪日外国人は、2017年には2869万人(前年比19.3%増)を突破し、本年もこれを上回るペースとなっております。

このような訪日外国人を対象とした民泊は、空き部屋を使って手軽に宿泊ビジネスが始められることもあり、これを商機とした違法な民泊(いわゆる、ヤミ民泊)の著しい増加や、違法な物件を掲載し続ける民泊サイトの横行、大手異業種による民泊事業への参入表明など、様々な話題が報じられております。

その一方で、宿泊客の騒音や異臭、ゴミ出しマナーなどのトラブル、公衆衛生や治安悪化の懸念など、これまでの健全な住環境を守りたい地域住民への配慮が非常に大きな問題となっております。

実際に、民泊新法では、各地方自治体による地域事情に応じた独自規制を認めております。たとえば、京都市では新法よりもさらに厳しい規制を盛り込んだ民泊条例が成立しておりますし、名古屋市では住宅専用地域での平日の民泊営業を禁止する条例案を公表しました。

そのような法整備が遅れている中、非常に痛ましい事件が起きてしまいました。

兵庫県に住む27歳の女性が、大阪市内の民泊用マンションで行方不明となり、女性とみられる遺体が大阪府・京都府内で発見されたのです。警察は、日本に入国して民泊を利用していた米国籍の男性を死体遺棄及び監禁容疑で逮捕しました。このマンションは、行政から許可を得ていないヤミ民泊であることを市当局が明らかにしております。

 

民泊新法が施行されれば、ヤミ民泊は無くなるのか

現行制度で民泊を営業するためには、旅館業法による許可を得るか、東京都大田区など国が地域を限定して規制緩和している国家戦略特区での認定を受ける必要があります。

これら健全な民泊運営の一方で、東京や大阪を中心とした大都市圏では、マンションやアパートの一室をオーナーや管理会社に無断で使用するヤミ民泊が、その実態を把握できないほど広がっており、禁止や取り締まり、苦情への対応など全く追い付いていない状況です。ましてや、民泊新法では、これまで制限されてきた住宅専用地域での民泊営業を認めておりますので、私たちが暮らす普通の住宅街に訪日外国人が頻繁に出入りすることになります。

もちろん、これまで問題となってきた民泊事業者や宿泊者の匿名性を排除するため、民泊新法では、民泊事業者の届け出や宿泊者名簿の備え付けが義務付けられます。周囲にも民泊とわかるような標識の表示が義務付けられ、行政は立ち入り検査や業務改善・営業停止命令など必要に応じて監督できるようになり、違反した場合の罰則規定も設けられております。

大手民泊検索サイトも6月15日の施行までには違法な物件の掲載削除を行う方針であると表明しており、今回の事件のような悲劇を絶対に繰り返さないためにも、1日も早い法整備と規制強化が待たれております。

 

もしも、民泊のトラブルを抱えたら

ヤミ民泊の疑いがある、または、民泊のトラブルを抱えているような不動産のオーナー様・管理会社様がいらっしゃったら、不動産トラブルが得意な弁護士に相談することをおすすめします。また、民泊運営を始めたい方、民泊運営事業者の方からの新法対応へのご相談も承っております。

<よくあるトラブルやご相談>

弁護士であれば、必要に応じて各自治体や保健所などの行政とも連携しながら、管理規約違反による営業行為の差し止め、原状回復費用の請求、違約金や損害賠償の請求など問題解決に向けた交渉と適切な対応を行うことができます。また、民泊新法に向けた届け出や管理規約改定手続のサポートも可能です。

弁護士法人アドバンスでは、日本マンション学会に所属している代表弁護士の五十部紀英をはじめとして、不動産トラブルを得意とする弁護士が在籍しております。どうぞ遠慮なくご相談ください。


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