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債権回収における仮差押・仮処分とは?

2018年7月20日 債権回収

「取引先からの売掛金の支払いが滞納している」、「売買代金を支払わない取引先がいる」などのトラブルは、債権回収によって解決を図ることができます。 「債権回収」とは、債権者(お金を請求する権利のある者)が、その売掛金や売買代金、請負代金などの債権を回収することです。

債権を確実に回収するためには、訴訟手続による判決を取得し、裁判所から債権を法的に回収する許可を得る手段があります。しかし、裁判が確定するためには非常に長い期間が必要です。その間に、取引先が経営破綻してしまったり、自身の財産を第三者に譲渡するなどして、結果的に債権が回収できなくなるおそれがあります。

その対策として、民事保全の手続き、いわゆる「仮差押」や「仮処分」があります。今回のコラムは、債権回収における仮差押と仮処分をテーマに解説します。

 

そもそも仮差押・仮処分とは?どこが違うの?

仮差押とは、売掛金などの「金銭債権」を確実に回収するために、相手方の銀行口座や不動産などの取引をさせないようにする手続きです。
一方、仮処分とは、「金銭債権以外の債権」を、係争中に相手方が勝手に処分するのを防ぐ手続きです。たとえば、賃料が不払いの不動産を裁判によって回収する際、その不動産を勝手に売買などされないようにするためのものです。

 

債権回収における仮差押と仮処分の手続きの流れ

債権回収における仮差押と仮処分の手続きの流れに、大きな違いはありません。ポイントとなるのは、「裁判所の許可」と「保証金を供託する(法務局にお金を預ける)」ことです。

仮差押や仮処分は、裁判所の許可が必要で、「保全すべき権利の存在」と「保全の必要性」を裁判所に疎明(一応確からしいと推測できるような資料や証拠を示すこと)しなければなりません。そのためには、申立書を作成して、疎明資料(売買契約書など)を添付し、裁判所に提出する必要があります。基本的に、裁判所は提出された書面で審査するのですが、東京地裁などの一部の裁判所では、審尋(債権者またはその代理人と裁判官との面談)が開かれます。なお、審査中に相手方に連絡がいくことはないですし、相手方に対して審尋が行われることもありません。

以上により、裁判所から仮差押や仮処分の許可を得ることはできますが、まだ手続きは完了していません。完了には、保証金を供託する必要があります。なぜ、保証金を供託するのかというと、仮差押や仮処分は、債権者側の主張のみにもとづいて、相手方が自由に財産を処理できないようにするものです。

その後、裁判などで問題なく債権を回収できればよいのですが、もしもできなかった場合、相手方はその間に自分の財産を自由に処理できませんので不利益を被ります。その不利益に対する損害賠償金が速やかに支払われるよう、あらかじめ一定額を保証金として法務局に預けておくという趣旨なのです。そのため、問題なく債権が回収できれば、保証金は債権者へ戻ってきます。

保証金の相場は、相手の財産の種類や証拠の充実度によって異なりますが、おおよそ凍結する財産の2~3割程度です。以上の手続きは、様々な準備が整っていれば、早くて1週間程度で完了します。

 

債権回収における仮差押と仮処分のメリットとデメリット

仮差押と仮処分のメリットとしては、「スムーズな手続きであり、かつその効果は抜群」ということがまず挙げられます。繰り返しになりますが、準備がきちんと整っていれば、仮差押や仮処分の命令は、早くて1週間程度で裁判所から出されます。スムーズにそして確実に、相手が自由に財産を処理できないようすることは債権回収にとって非常に効果的です。

次に「相手へのインパクトが大きい」点が挙げられます。仮差押や仮処分により、財産を自由に処分できなくなれば、相手は資金繰りなどで大きな打撃を受けますし、裁判所の命令ですから相当の危機感を味わいます。それゆえ、その後に裁判所の判断を待つことなく、交渉によって相手方から債権を回収できるケースも多くみられます。

仮差押・仮処分のデメリットとしては、「保証金を供託する必要がある」ということです。保証金の供託は必要不可欠であり、事案によって相当の負担を強いられる場合もあります。しかし、その保証金は相手から債権を回収さえできれば戻ってくるお金ですから、損をするということにはなりません。

また、仮差押・仮処分には「専門的な知識が必要になる」という点もデメリットの1つです。
スムーズに仮差押や仮処分の手続きを完了するには、必要な資料を過不足なく迅速に収集し、法的に適切な申立書を作成して、裁判所から許可を得なければなりません。

さらに、相手方が経営状況の悪化により破産や民事再生を行うと効果が無くなりますので、より専門的で冷静な判断が求められます。そのため、この分野を得意とする弁護士に依頼することが、債権を確実に回収するためには非常に重要となります。

弁護士法人アドバンスでは、過去に数多くの債権を回収した実績・ノウハウがありますし、顧問先の会社様から仮差押・仮処分のご依頼をお受けする機会も多々あります。また、初回30分の弁護士へのご相談料は無料となります。債権回収でお困りの場合はぜひご相談ください。


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