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任意整理によりブラックリストに登録される!生活への影響や留意点を解説

任意整理、生活への影響や留意点を解説

借金返済に苦労している人の中には、任意整理の実行を検討している人もいるのではないでしょうか。

任意整理は、債権者との交渉により返済条件緩和の合意を得る手法です。

返済が難しい借金への対応策として有効ですが、任意整理をするといわゆるブラックリストへの登録は避けられません。

ブラックリストという言葉を聞いたことがあるものの、どのようなものであるかきちんと理解していない人もいるのではないでしょうか。

今回は、任意整理の実行により発生するブラックリストへの登録について解説をします。

ブラックリストに登録される条件や、登録された後の影響および登録抹消後の留意点などについても紹介します。

この記事でわかること
  • ブラックリストは個人信用情報機関による事故情報の登録を指す
  • 任意整理以外にもブラックリストに登録される条件がある
  • クレジットカードの新規契約ができないなどの影響がある
  • ブラックリスト登録による家族への直接的な影響は少ない
  • ブラックリスト登録期間は状況により異なる
  • 事故情報登録中でもできることは多い
  • 任意整理後に借金を完済しても注意したい点がある

今回の記事を参考に、ブラックリスト登録に関する正しい知識を得て、借金問題への対処方法検討の際に活用してください。

目次

任意整理によりブラックリストに登録される

任意整理、ブラックリストに登録される

任意整理をはじめとした債務整理を実行すると、ブラックリストへの登録は避けられません。

借金問題を抱える人の中には、任意整理など債務整理を実行し解決する道を検討している人も多いのではないでしょうか。

任意整理を実行する前に、生活への影響が大きいブラックリストへの登録について正しい知識を得ておくとよいでしょう。

以下で、ブラックリストへの登録に関する基本的な内容を紹介します。

ブラックリストという一覧表が実在するわけではない

いわゆるブラックリストという名称を聞くと、債務整理をした人の一覧表があり、氏名が掲載されると誤解する人が多いかもしれません。

しかし、ブラックリストという一覧表が存在するわけではありません。

個人信用情報を取り扱う専門機関である信用情報機関に、事故情報が登録されることを俗に「ブラックリストに載る」と表現します。

個人信用情報とは、消費者1人1人の年収や住宅情報およびローンやクレジットカードの支払いに関する情報のことです。

信用情報機関と呼ばれる専門機関が個人信用情報を収集し、登録しています。

金融機関や消費者金融およびクレジットカード会社などは、会員登録をしている信用情報機関に消費者の情報を照会する権限を有します。

任意整理により新規の借金ができなくなるのは、信用情報機関に事故情報が登録されるためです。

個人信用情報に事故情報の登録がある場合、金融機関などは審査を通さないでしょう。

個人信用情報を扱う専門機関は3種類ある

個人信用情報を取り扱う専門機関は、以下の3種類です。

  • 株式会社シー・アイ・シー(略称:CIC)
  • 株式会社日本信用情報機構(略称:JICC)
  • 全国銀行個人信用情報センター(略称:KSC)

株式会社シー・アイ・シーは、国内クレジット会社の共同出資により設立された情報機関です。

株式会社シー・アイ・シーに加盟しているのはクレジットカード関連の会社が多く、クレジットカードの利用履歴などの情報を主に取り扱っています。

株式会社日本信用情報機構は、消費者金融などの貸金業者の多くが登録している信用情報機関です。

過去の消費者金融の利用履歴など、カードローン関連の情報を取り扱っています。

全国銀行個人信用情報センターは、一般社団法人全国銀行協会によって設立された信用情報機関です。

地方銀行やネット銀行の多くが会員登録をしている機関で、銀行で取り扱う各種ローンの利用履歴などを主に取り扱っています。

以上3種類の信用情報機関は、それぞれが保有している個人信用情報を共有しているため、会員になっていない機関の情報も容易に照会が可能です。

そのため、例えば過去のカードローン履歴における事故情報は銀行の住宅ローン審査時にも照会され、審査が通らない要因となります。

「社内ブラック」もブラックリスト状態の一種

以上で紹介した信用情報機関の事故情報以外にも、ブラックリスト状態といえるものがあります。

社内ブラックと呼ばれる、クレジットカード会社などが自社内で独自に作成している名簿に掲載されている状況です。

過去に返済の滞納実績がある人や任意整理を実行した人を名簿に記録して、審査時に照会を行います。

社内ブラックの情報は対象の会社独自のものであるため、他の会社に共有されるものではありません。

しかし、信用情報機関の事故情報の登録が抹消されたとしても、社内ブラックは永久に残る場合があります。

そのため、任意整理後、時間が経過してブラックリストへの登録が無くなったとしても、過去に任意整理を実行した会社からはお金を借りられない可能性があります。

任意整理によるブラックリスト登録により生活に支障が生じる

ブラックリスト登録。生活に支障が生じる

任意整理の実行により信用情報機関に事故情報が登録されると、生活上にどのような影響があるのでしょうか。

信用情報機関への事故情報登録により日常生活にどのような支障を来すのか、以下に5例紹介します。

  • クレジットカードの新規契約や既存カードの利用ができなくなる
  • ローンやキャッシングなどで新規の借り入れができなくなる
  • 賃貸住宅の新規契約ができない可能性がある
  • 各種分割払いの審査に通らない
  • 保証人および連帯保証人になれない

事故情報が存在すると、主に金融関係のサービス利用においてさまざまな制限を受けます。

任意整理を実行する前に、事故情報の登録による生活への影響を把握して、後悔のないようにしましょう。

クレジットカードの新規契約や既存カードの利用ができなくなる

クレジットカード会社は、クレジットカードの新規契約申し込みを受けた際に、申込者の個人信用情報を確認します。

信用情報機関に照会を行った際に、事故情報が発見された際は審査を通さないでしょう。

一方、保有しているクレジットカードは、しばらくは通常通り利用できる場合が多いです。

しかし、クレジットカード会社は会員の情報を定期的に審査しています。

カード会社の定期的な審査を、途上与信と呼びます。

途上与信時には個人信用情報の照会も実施されるため、事故情報が発見された場合はカードの利用を止められるでしょう。

したがって、任意整理を実行し事故情報が登録されると、クレジットカードが利用できなくなる事態は避けられません。

ローンやキャッシングなどで新規の借り入れができなくなる

事故情報が登録されると、銀行の各種ローンや消費者金融のキャッシングなどによる新規借り入れが受けられなくなります。

申し込み時の審査の中で、信用情報機関への照会は確実に実行されるため、事故情報は漏れなく発見されます。

貸金業者の中で、事故情報の登録が残っている状態でもお金が借りられるのは、悪徳な違法業者である可能性が高いです。

任意整理後でもお金を借りられると明言している貸金業者が言い寄ってきた際には、関わらないようにしましょう。

任意整理実行後は、一般的な金融業者からはお金が借りられないため、資金不足にならないよう生活する必要があります。

賃貸住宅の新規契約ができない可能性がある

事故情報が登録されていると、賃貸住宅の新規契約が結べない可能性があります。

通常、賃貸住宅の入居審査の際には、信用情報機関への照会は実行されません。

したがって、事故情報が登録されていても住居の賃貸契約は可能です。

一方で、家賃保証会社が信販系の会社の場合には契約できない場合もあります。

信販系の会社は信用情報機関に加盟しているため、申込者の情報を照会した際に事故情報を確認し、賃貸契約を断る可能性が大いにあります。

契約更新の際も同様で、保証会社の種類によっては更新を断られるかもしれません。

任意整理後に賃貸契約を行う際は、家賃保証会社が信用情報機関に加盟しているか確認しましょう。

各種分割払いの審査に通らない

事故情報の登録は、各種分割払いの審査に通らない要因にもなります。

スマートフォンなど携帯端末を購入する際は、毎月の利用料の支払いに合わせて分割払いの形式をとるのが一般的です。

端末の代金は高いため、分割払いにして毎月の負担を軽減する人が多いでしょう。

しかし、事故情報が登録されている期間は分割払いの契約時に審査に通らない可能性が高いです。

分割払いの契約時にはすべてのキャリアで審査が実施されるので、大手キャリアで審査に通らないからといって格安キャリアに切り替えても結果は同じでしょう。

任意整理後にスマートフォンの買い替えや新規契約を行う際は、分割払いを選択できないため一括払いを検討する必要があります。

保証人および連帯保証人になれない

事故情報が登録されている間は、保証人や連帯保証人になれません。

保証人は、借りた本人の返済が滞った場合に、代わりに返済する義務を負う人です。

事故情報が登録されている人は、返済能力がないと判断されてしまいます。

学生が奨学金の契約をするためには、保証人を設定する必要があります。

本来は、学生の親が保証人になるのが一般的ですが、事故情報が登録されている期間は保証人になるのは難しいでしょう。

もう一方の親が保証人になったり、保証機関を利用したり、別の方法を検討する必要があります。

ブラックリストに登録される条件を把握しよう

ブラックリスト登録される条件

信用情報機関に事故情報が登録されるのは、任意整理など債務整理実行の際だけではありません。

他の条件でも、事故情報が登録される場合があります。

任意整理のみに気をつけていると、気が付かない間に事故情報が登録されている場合もあるため、他の条件についても整理しましょう。

信用情報機関に事故情報が登録される条件として、主なものを以下に3例紹介します。

  • 任意整理などの債務整理を実行した場合
  • 借金返済を長期間滞納した場合
  • 保証会社による代位弁済が実行された場合

借金返済に苦労している状況で起こりやすい条件であるため、合わせて把握するのをおすすめします。

任意整理などの債務整理を実行した場合

任意整理など、債務整理を実行した場合には、信用情報機関に事故情報が登録されます。

任意整理の場合、株式会社日本信用情報機構は手続きを依頼した弁護士の受任通知が金融業者に届いた時点で、事故情報が登録されます。

受任通知とは、債務者の借金整理の代理人になった旨を債権者に知らせるため、弁護士が発行する通知文のことを指します。

債権者は、受任通知を受け取ると任意整理を実行する旨を信用情報機関に報告します。

そのため、弁護士に任意整理を依頼した数日後に事故情報が登録されるといえるでしょう。

株式会社シー・アイ・シー、全国銀行個人信用情報センターには任意整理をした事実自体は登録されませんが、返済を数ヶ月間滞納している場合、保証会社による代位弁済が行われた場合に事故情報が登録されます。

任意整理だけでなく自己破産や個人再生でも、同様に事故情報が登録されます。

借金返済を長期間滞納した場合

期日までに借金を返済できず、長期間滞納した場合も、信用情報機関へ事故情報が登録されます。

長期間の滞納による事故情報の登録は、返済予定日から3カ月を経過するタイミングで実施される場合が多いです。

債権者である金融機関などが、信用情報機関に報告した場合は、その段階で事故情報が登録されます。

任意整理を検討している段階で、借金をすでに滞納している状況であれば、すでに事故情報が登録されている可能性が高いです。

任意整理などの実行を検討している間に事故情報の登録がされないよう、手続き開始までは期日までの返済を継続する必要があります。

保証会社による代位弁済が実行された場合

保証会社による代位弁済が実行された場合も、信用情報機関に事故情報が登録されます。

代位弁済とは、保証会社が債務者に代わって債権者に返済を実行することです。

金融機関など債権者は、借金の返済が受けられない場合に、提携している保証会社に代位弁済を求める場合があります。

代位弁済が実行されると、保証会社から代わりに負債の支払いを実行した事実と、借金の一括返済を求める旨を記載した通知が届きます。

保証会社は、代位弁済を実行するのと同じタイミングで信用情報機関に連絡するため、即座に事故情報が登録されると考えるのが自然です。

保証会社による代位弁済は、事故情報が登録されるのに加え、残りの借金の一括返済も求められるため、厳しい状況に陥ってしまう可能性のある措置といえるでしょう。

ブラックリストへの登録による家族への影響は少ない

ブラックリストへの登録、家族への影響は少ない

信用情報機関に事故情報が登録されると、生活上にさまざまな影響が及んでしまいます。

しかし、事故情報の登録は当時者本人のみへの影響にとどまり、その家族への影響は限定的です。

生活を共にしている場合は、全く影響がないとは言えませんが、家族に直接的に制限が及ぶことはありません。

事故情報の登録が家族の生活に影響しないことについて、以下の3点を通して説明します。

  • 戸籍への記録はされない
  • 家族名義の場合はクレジットカードやローンの利用が可能
  • 結婚や就職には影響がない

したがって、家族への影響が心配で、任意整理の実行を思いとどまる必要はありません。

戸籍への記録はされない

任意整理をして事故情報が登録されると、戸籍にその事実が記録されて住民票などに明記されてしまうと心配する人も多いかもしれません。

しかし、信用情報機関における事故情報の登録は、戸籍には記録されません。

戸籍は、出生や結婚および死亡や親族関係などの身分関係を掲載するものです。

金融関係の取引や事故情報は対象外であるため、戸籍上に事故情報の登録が掲載される箇所はありません。

そのため、パスポートの取得や年金の受給手続きおよび選挙への参加などは任意整理後も問題なく実行可能です。

家族名義の場合はクレジットカードやローンの利用が可能

事故情報が登録された本人は、クレジットカードやローンを利用できなくなりますが、家族には影響が及びません。

家族名義でクレジットカードや各種ローンを申請すると、その家族自体が審査に通過できる条件を満たしている場合には利用できます。

そのため、家族名義でクレジットカードを発行した後に、追加で発行した家族カードを債務者が利用するのは問題ありません。

前述のように、事故情報が登録されている本人が保証人や連帯保証人になるのは不可能です。

一方、家族名義であれば保証人設定は問題がないため、子どもの奨学金申請の際には家族名義で設定するとよいでしょう。

結婚や就職には影響がない

事故情報の登録は、結婚や就職には何の影響もありません。

過去に任意整理などの債務整理をしたとしても、希望通りの結婚や就職ができます。

しかし、結婚前に任意整理をして、事故情報の登録が残っている場合は、結婚相手にバレる可能性があります。

クレジットカードの申し込みで審査に落ちたり、携帯端末の分割払いが出来なかったりすると、結婚相手は不審に思うでしょう。

一方、すでに事故情報が抹消されている場合には、結婚相手にバレる可能性は低いと考えられます。

事故情報の登録は結婚や就職に直接的な影響を及ぼさないものの、状況によっては自ら正直に伝える方が良い場合もあります。

ブラックリスト登録の期間は状況により異なる

信用情報機関への事故情報の登録は、永久に残るわけではありません。

一定期間が経過すると、事故情報の登録は抹消されます。

事故情報の登録が抹消された後は、クレジットカードや各種ローンを利用できるなど、生活上の制限も無くなるでしょう。

信用情報機関における事故情報の登録がなされる期間は状況によって異なり、一律ではありません。

以下で、事故情報登録継続期間の目安を、債務整理の種類ごとに紹介します。

  • 任意整理の場合は完済日から5年が目安
  • 個人再生や自己破産は5~7年が目安

事故情報の登録が継続する期間の目安を知っておくと、債務整理後の生活を考える際の役に立ちます。

任意整理の場合は完済日から5年が目安

任意整理を実行した場合の事故情報の登録期間は、完済日から5年以内が目安です。

債権者との和解の成立が起点と誤解している人もいるかもしれませんが、借金の返済を終えないといけません。

任意整理は、債権者と借金返済の条件について交渉を行い、新しい条件に則って返済を行う手続きです。

債権者との交渉から借金返済まで3年程度掛かるのが一般的であるため、事故情報の登録が継続するのは8年程度であると考えられます。

信用情報機関に照会をすると、事故情報の登録が残っているか確認が可能です。

事故情報が残っているか確実に知りたい場合は、各信用情報機関に照会をかけてみるとよいでしょう。

個人再生や自己破産の場合は完済日から5~7年が目安

債務整理のうち、個人再生や自己破産を実施した場合は、5~7年間程度事故情報の登録が継続します。

事故情報の登録期間は、信用情報機関によって異なります。

個人再生の場合、株式会社日本信用情報機構では完済日から5年以内、全国銀行個人信用情報センターでは完済日から5年または手続開始決定日から7年のいずれか遅い方と定められています。

株式会社シー・アイ・シーは個人再生の事実は登録されませんが、返済を数ヶ月間滞納している場合や、保証会社による代位弁済が行われた場合に、事故情報が登録されます。

自己破産の場合は、株式会社シー・アイ・シー、株式会社日本信用情報機構は免責許可決定日から5年以内です。

全国銀行個人信用情報センターは、破産手続開始決定日から7年以内が目安です。

以上のようにさまざまなパターンがあるため、事故情報登録期間を正確に知りたい場合には、信用情報機関に照会する必要があるでしょう。

任意整理によるブラックリスト登録時でもできることは多い

ブラックリスト登録時でもできることは多い

任意整理の実行などにより信用情報機関に事故情報が登録されると、金融サービスの利用などにおいてさまざまな制限を受けます。

一方で、事故情報が残っている状況でもできることは意外に多いです。

事故情報が残っている状況でできることについてまとめておき、任意整理実行後に備えるのがよいでしょう。

事故情報が登録されている間も利用できる金融関連のサービスについて、主なものを以下に3例紹介します。

  • デビットカードを利用する
  • ローンなどは家族名義で契約する
  • 生命保険の契約は可能

以下で、それぞれの詳細について解説します。

任意整理後、どのような生活を送るのか考える際の参考にしてください。

デビットカードを利用する

クレジットカードの代わりに、デビットカードを利用するのはおすすめです。

デビットカードとは、クレジットカードと同様に現金なしで決済ができるカードのことを指します。

あらかじめ決済用の銀行口座を登録しておく点はクレジットカードと同じですが、決済の都度銀行口座から引き落としされるのがデビットカード最大の特徴です。

クレジットカードと異なり引き落とし用に設定している銀行口座に預金残高が無いと利用はできませんが、それ以外はクレジットカードとほぼ同じように活用できます。

銀行などの金融機関は、近年デビットカードの普及に力を入れているため、利用できる店舗も増えています。

クレジットカードと同様、ポイント付与や特定店舗での割引など特典も増えています。

デビットカードがあれば、クレジットカードがない生活にも利便性を確保できるでしょう。

ローンなどは家族名義で契約する

事故情報が登録されている本人以外の家族名義であれば、各種ローンの契約は可能です。

住宅ローンや自動車ローンを契約したいと考える際は、家族名義での契約を試みてみましょう。

ローンの申し込みをする際は、名義人となる家族の財政状況が審査対象となります。

家族本人の収入や財産状況などが審査に通る水準であれば、ローン契約の締結も十分可能です。

ローンの審査通過が厳しいと予想される場合は、しばらく貯金を行い頭金の金額を増やして借入金額を減らす方法もあります。

ローンの名義人の年収が少なくても、頭金を十分用意して借入金額を抑えると、審査に通りやすくなります。

任意整理後、できるだけ早くローン契約をする必要がある場合は、家族の名義を利用した手続きについて検討するのがおすすめです。

生命保険の契約は可能

事故情報が登録されている状況でも、生命保険の契約は可能です。

生命保険の契約の際も、審査は実施されます。

しかし生命保険会社は貸金業者ではないため、信用情報機関にも加盟していません。

健康状態や年齢の要件など、生命保険に加入する条件を満たしている場合は、事故情報が残っていたとしても問題なく保険契約が可能です。

生命保険には、契約者貸付制度があります。

保険契約によりそれぞれの取り決めはありますが、解約返戻金のある生命保険を利用している場合、返戻金の範囲内でお金を借りられます。

契約者貸付制度は、事故情報が残っていてもお金を借りられる方法の1つです。

任意整理後の借金を完済してからも注意したい点がある

任意整理後、完済してからも注意したい点

任意整理後に残った借金を完済したら、晴れて借金から解放されます。

しかし、完全に自由な生活を送れるわけではなく、注意したいポイントがあります。

任意整理の借金返済が終わっても残る制限について把握して、不利益を被らないようにしましょう。

任意整理後の借金返済を終えてから注意したいポイントについて、主なものを以下に3例紹介します。

  • 新規契約前に事故情報の登録抹消を確認する
  • 任意整理をした相手およびその系列会社の利用は避ける
  • 同時に複数のクレジットカードやローンの申し込みをしない

任意整理後の生活に支障を来さないよう、以下で紹介する内容を十分理解してください。

新規契約前に事故情報の抹消を確認する

クレジットカードや各種ローンを申し込む前に、信用情報機関において事故情報が抹消されているか確認しましょう。

前述のように、任意整理後の借金を完済してもすぐに事故情報が抹消されるわけではありません。

借金完済から5年後に事故情報が抹消される場合が多いため、借金返済を終えてすぐに金融サービスの申し込みはできないと考えるのが無難です。

信用情報機関に照会をかけると、現状の個人信用情報を確認できます。

個人信用情報の照会は、3種類の信用情報機関すべてにおいて行いましょう。

機関ごとに情報取り扱いのルールが異なるため、ある機関では事故情報が抹消されていたとしても別の機関では残っている場合があります。

クレジットカードやローン契約を申し込む前に、3種類すべての信用情報機関に照会をかけて事故情報の有無を確認するのがよいでしょう。

任意整理をした相手およびその系列会社の利用は避ける

任意整理の交渉をした相手、あるいはその系列会社のサービスの利用は避けましょう。

信用情報機関における事故情報が抹消されたとしても、会社独自で管理している「社内ブラック」の情報は残っている可能性があります。

社内ブラックの情報取り扱いルールは会社ごとに異なり、照会をかける方法もありません。

任意整理の交渉をした企業の金融サービスに申し込みをして審査に落ちた場合、個人信用情報においてもマイナス評価となってしまいます。

社内ブラックの情報により審査に落ちるリスクを考慮して、任意整理をした会社とその系列会社以外のサービスを選択するのが無難です。

同時に複数のクレジットカードやローンの申し込みをしない

任意整理後、同時に複数のクレジットカードやローンの申し込みをするのもおすすめできません。

任意整理後に金融サービスが本当に利用できるのか不安を覚え、たくさんのサービスに申し込みをして1つでも審査に通そうと考える人もいるかもしれません。

しかし、同時に複数のサービスの申し込みをするのは逆に金融機関やクレジットカード会社側の印象を悪くしてしまい、審査に通らなくなる可能性を高めてしまいます。

金融機関やクレジットカード会社は、申し込みの履歴を信用情報機関に照会します。

短期間で多数の申し込みをしている人に対しては、お金に困っていると判断し審査を落としてしまうかもしれません。

同時に申し込みをするのは、クレジットカードの場合は2枚までとするのが一般的です。

もし審査に落ちた場合は、再度別のクレジットカード会社への申し込みをするまで6カ月程度間隔を空けるのがよいでしょう。

任意整理によるブラックリスト登録について正しく理解しよう

任意整理など債務整理を実行すると、ブラックリストに登録されてしまいます。

ブラックリストとは、信用情報機関に事故情報が登録されている状態のことを指します。

ブラックリストと呼ばれる、名簿の一覧表のようなものがあるわけではありません。

任意整理により信用情報機関に事故情報が登録されると、クレジットカードやローンの利用ができなくなるなど、生活上に支障を来してしまいます。

債務者本人においてはさまざまな影響が及ぶものの、その家族には直接的な影響はありません。

クレジットカードや各種ローンは家族名義で契約を行い、利用することが可能です。

デビットカードや生命保険の契約は可能であるため、工夫次第で十分に利便性を確保した生活を送れます。

任意整理後は借金を完済した後も、ブラックリストや社内ブラックへ事故情報の記録が残っている期間は、クレジットカードやローンの審査に通らないかもしれません。

事故情報の登録抹消を確認したり、同時に複数の申し込みをしたりせず、状況を正しく判断して取り組みましょう。

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