借金返済がきつい状況になり、困っている人もいるのではないでしょうか。
お金を借りるときは十分返せると思っていても、いつのまにか返済がきつい状況になってしまっている経験をした人もいるでしょう。
借金をする際は計画性を持っていないと、想定以上の負担となってしまうケースが多いです。
借金返済の負担を少しでも軽減するため、取れる対策を講じましょう。
返済遅延による影響や行ってはいけない事項、借金返済をスムーズに行うための方法および債務整理についても紹介します。
- 返済能力以上の借入などが原因で返済が難しくなる
- 返済が滞ると損害遅延金の発生など不利益を被る
- クレジットカードの過剰利用やリボ払いの多用は避ける
- 借金返済をスムーズに行うため収支管理や固定費削減に取り組む
- どうしても借金が返せない場合は債務整理を検討する
今回の記事を参考にして、借金に悩む生活からの解放を目指してください。
借金返済がきつい原因を追及しよう
借金返済がきつい場合には、最初にその原因について追及する必要があります。
原因を明確にしておかないと、返済を終えられたとしても再び同じ状況に陥ってしまうかもしれません。
借金返済がきつい原因について、主なものを以下に3例紹介します。
- ご自身の返済能力を超えた借金をしてしまう
- 利息の負担について理解できていない
- 滞納が増えると返済はきつくなる
ご自身の返済能力を超えた借金をしてしまう
ご自身が返済できる能力を超えた借金をしてしまうと、返済が難しくなります。
最初にお金を借りるときは少額であるため、返済に苦労するケースは少ないでしょう。
しかし、少額の借金が積み重なると返済できないほどの金額に膨らんでしまいます。
総量規制により、年収の3分の1以上の借入はできません。
総量規制は銀行からの借入には適用されないため、高額の借入をしてしまう恐れがあります。
年収の3分の1の借入金額も、相当高額の借金となるため、規制範囲内であれば返済できるという保証はありません。
借金をする際は、ご自身の返済能力を鑑み、返せる範囲に留める意識を持つ必要があります。
利息の負担について理解できていない
借金に対して発生する利息について正しい理解ができていないと、返済がきついと感じる場合が多いです。
借金をすると元本に上乗せして利息の金額を支払う義務が生じるのは、漠然と理解している人も多いでしょう。
利息の金額は少額であるため、気にしなくても良いと思っている人もいるかもしれません。
返済金額だけでなく、返済期間および返済方式によっても、利息の金額は上下すると理解しないといけません。
返済期間を長くすればするほど、支払う利息の総額は高額になります。
さらに返済方式が元利均等方式の場合は、毎月の支払額は一定であるものの、支払額に占める元本部分が少なく利息部分が高額になります。
借金を行う際は、利息についての理解を深めるとともに、どれほどの利息負担をするのかシミュレーションすると良いでしょう。
滞納が増えると返済はきつくなる
借金を期日通りに返済できずに滞納が増えると、さらに状況が厳しくなります。
滞納をすると、利息負担がさらに増すのはもちろん、次回の返済で2回分相当の金額を支払わないといけません。
滞納を繰り返せば繰り返すほど、一度に支払う金額が高額になっていくため、さらに返済がきつくなってしまいます。
滞納が続くと財産の差し押さえなどを受けたり裁判に発展したりするリスクもあるため、期日通りの返済の継続は重要です。
滞納の恐れのある金額を借金しないよう、常に残債を把握して確実に返済を継続するように心掛けましょう。
借金返済ができないと多くの不利益に見舞われる
借金の返済が滞ると、様々な不利益に見舞われるリスクがあります。
お金を借りる場合は、期日通りの返済を条件にしており、借入契約時に多くの取り決めがなされているケースが一般的です。
借金返済ができない場合に起こる不利益について、主なものを以下に4例紹介します。
- 利息が積み重なり遅延損害金が加算される
- 債権者からの一括返済要求を受ける
- 信用情報機関に事故情報が記録される
- 財産などを差し押さえられる
借金返済ができない場合のリスクを理解したうえで、計画的な借入を行い確実に返済を行いましょう。
利息が積み重なり遅延損害金が加算される
借金返済が滞ると、利息が積み重なるだけでなく遅延損害金という別の負担が増加する場合があります。
利息は、借入残高に対して一定の率を乗じて算出するのが一般的です。
このため、返済が滞って借金の元本が減らないと、利息の金額も一定金額発生し続け、累積していってしまいます。
金銭の債務について、債務者が期日通りの返済ができなかった場合、期日遅延にかかる損害を賠償するために支払われる金銭です。
遅延損害金は、従来の利息に上乗せする形で負担する必要があります。
期日を1日でも過ぎると遅延損害金を請求される可能性があるため、負担がみるみる増えてしまいます。
利息や損害遅延金が積み重ならないよう、返済期日までの確実な借金の返済が大切です。
債権者からの一括返済要求を受ける
借金返済ができずに滞納を継続していると、債権者から一括での返済を要求されてしまう可能性があります。
高額の残債がある場合、すべてを一括で返済するよう求められても、対応は難しいでしょう。
期限の利益とは、債権者との間で取り交わした返済期限までは借金返済の義務を免れるという権利です。
高額の借金をしていたとしても、債権者と取り決めた期日までは、取り立てられません。
しかし、取り決めの期限を経過してしまうと、期限の利益を喪失してしまい、すべての借金の取り立てを受けてしまいます。
高額の返済要求に加え、遅延損害金が借金全額を対象にして加算されてしまうのも債務者にとって負担増につながります。
一括返済の要求を受ける前に期日通りの返済ができるように、計画的な借金の利用が大切です。
信用情報機関に事故情報が記録される
借金返済ができずに滞納の実績があると、信用情報機関に事故情報が記録されてしまう可能性があります。
信用情報機関とは、消費者それぞれの信用情報を記録している機関です。
金融サービスを提供する企業のほとんどが情報管理機関に登録しているため、消費者の情報はほぼすべて共有されていると考える必要があるでしょう。
借金返済ができず信用情報機関に事故情報として登録されると、各種金融サービスの利用ができなくなってしまいます。
新規でカードローンサービスが使えなくなったり、クレジットカードの利用が停止されてしまったりするケースが多いです。
返済の滞納により、信用情報機関に記録されてしまい、日常生活の利便性が損なわれてしまうリスクがあります。
財産などを差し押さえられる
借金返済ができずに時間が経過すると、財産などを差し押さえられてしまう可能性があります。
債権者は、最初に支払い督促あるいは民事訴訟などの裁判手続きに取り掛かります。
債権者は、債務者の財産を差し押さえて貸し付けていた金銭の回収を実行できます。
差し押さえを受ける財産は、銀行預金や将来受け取る給料であるケースが多いです。
預金残高や給料が差し押さえられてしまうと、生活が立ち行かなくなってしまう可能性もあります。
財産の差し押さえを受けると、実質的にこれまで通りの生活を送れなくなってしまう可能性が高いです。
財産差し押さえを受ける前に、適切な対処に取り組む必要があります。
借金返済をよりきついものにする行為を避けよう
借金の返済がきつい状態になると、返済資金を確保するため普段とは異なる方法を検討する人もいるのではないでしょうか。
借金返済が滞って不利益が生じるのを避けるため、対策に取り組むのは大切です。
しかし、誤った方法を採用すると逆により負担が膨らんでしまう恐れがあります。
借金返済をさらに厳しいものにしてしまう行為について、主なものを以下に5例紹介します。
- クレジットカードを過剰に利用してしまう
- リボ払いは借金を膨らませる要因
- 借金返済のための借金
- FXやギャンブルなどで一攫千金を狙う
- 違法業者に手を出す
誤った選択をして、負担を増やしてしまわないように注意しましょう。
クレジットカードを過剰に利用してしまう
クレジットカードの過度の利用は、借金が膨らんでいるのに気付かない可能性があります。
クレジットカードは、決済を後に一括して行える便利なツールです。
複数のクレジットカードを使い、利用の状況が把握できなくなってしまうケースもあるでしょう。
クレジットカードを利用する際は、インターネットのマイページや専用アプリなどを使って、利用履歴をタイムリーに確認するのがおすすめです。
クレジットカードをどうしても使いすぎてしまう場合は、銀行預金から都度の引き落としが実行されるデビットカードへの切り替えを検討する方法もあります。
クレジットカードの使いすぎは、借金を膨らませてしまう要因になりえるため、取り扱いには注意が必要です。
リボ払いは借金を膨らませる要因
クレジットカード利用の際に、リボ払いを選択する人もいるかもしれません。
リボ払いは、借金を膨らませてしまう要因になりやすい決済手段であるため、可能な限り避けるのをおすすめします。
しかし、負債金額が高額になると毎月の支払額における元本部分の割合が非常に少なくなり、借金が減っていかない事態に陥ります。
リボ払いで適用される利息の利率は高い場合が多いため、利息負担が高額になりやすい傾向があります。
同様に、分割払いも利息が発生するため多用は避けるほうが良いでしょう。
クレジットカードで決済をする際は、可能な限り一括払いを選択するのをおすすめします。
借金返済のための借金
借金返済のための資金を用立てするため、別の金融業者から借金をする行為は避けましょう。
返済期日が迫っているからといって、別の金融業者に借金をすると、利息の負担増加を含めさらに借金を膨らませる結果になります。
返済期日が到来する借金を返済できて一時的に急場をしのげるものの、借金がなくなったわけではなくさらに上乗せされてしまいます。
いわゆる自転車操業の状態に陥り、借金に借金を重ねる行為を繰り返さざるを得なくなってしまうでしょう。
すぐに借りられる消費者金融などは、金利が高く設定されているケースが多いです。
利息の上乗せを考えると、さらに借金返済が厳しくなってしまうため、借金のために借金をする行為は避けるのがおすすめです。
FXやギャンブルなどで一攫千金を狙う
借金返済の資金を用立てするため、FXやギャンブルなどで一攫千金を狙う行為はおすすめできません。
FXは、リスクヘッジに配慮するなどして活用すれば、効率的な投資手法として活用できます。
同様に、ギャンブルも的中すれば一気に高額の資金が手に入りますが、外れる確率のほうが高いケースが多いです。
さらに、ギャンブルのリスクとして、依存性が高い点が挙げられます。
借金返済の資金を獲得するつもりが、ギャンブル自体にのめり込んでしまい、損失を被る感覚がマヒしてしまうかもしれません。
借金返済のためにFXやギャンブルをして一攫千金を狙う行為は、逆にリスクが高すぎるため避けましょう。
違法業者に手を出す
借金を返済する資金を確保するため、違法業者に手を出してはいけません。
違法業者とは、国や自治体から許認可を受けずに金融サービスを提供している貸金業者です。
審査なしですぐにお金を貸すとの甘言を用いて、お金に困っている人をターゲットにします。
違法業者から借金をすると、以下のようなトラブルに見舞われる危険があるため、安易に手を出さないように注意しましょう。
- 違法な高金利を請求され続ける
- 違法な取り立てが勤務先や家族にも来る
- 個人情報を犯罪行為に利用される可能性が高い
さらに、近年はSNSやインターネット掲示板のサービスを利用して貸付をしようとする業者が増えています。
個人間融資を装ってお金に困っている人をターゲットにする行為であるため、関わりにならないのが肝要です。
借金返済を上手に進めるために取り組みたいコツ8選
返済できないほどの借金を抱える前に、適切な管理を行うのが大切です。
経済的な生活を送るため、家計の管理や見直しをすると良いでしょう。
借金を抱えている人は、いかに上手に返済できるか、常にイメージしながら生活すると返済に困る前に完済への道が開けます。
借金返済を上手に進めるために取り組みたいコツとして、以下に8項目紹介します。
- 生活費の収支管理をするためのツールを取り入れる
- 携帯電話代や生命保険料などの固定費を見直す
- 収入を増やせる余地がないか検討する
- 借金完済へのモチベーションを高く保つ
- 返済する借金に優先順位をつける
- 繰り上げ返済や一括返済により金利負担を軽減する
- おまとめローンによる借金の一本化を検討する
- 債務整理の利用を検討する
借金返済が難しくなる前に、できる範囲で積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。
生活費の収支管理をするためのツールを取り入れる
生活費を把握するために、収支管理をするために役立つツールを取り入れる方法があります。
収支管理といえば、家計簿を連想する人も多いでしょう。
家計簿は、毎日の出費を項目ごとに集計して把握できる便利なツールです。
近年は、インターネット上で簡単な入力のみで自動的に項目ごとに集計してくれる便利なアプリなどもあり、手書きが苦手な人におすすめです。
収支管理ツールの導入により、無駄遣いしている要素を洗い出し、節約につなげられるケースが増えます。
翌月に持ち越せた資金で、繰り上げ返済をすると利息負担を抑えられて経済的です。
家計簿など収支管理のツールを用いて、ご自身の出費状況を把握しましょう。
携帯電話代や生命保険料などの固定費を見直す
出費を抑えるうえで、最初に固定費の見直しから取り組むのがおすすめです。
携帯電話代や生命保険料など、毎月必ず発生する費用を固定費と呼びます。
携帯電話を格安スマホに変えたり、利用していないサブスクリプションサービスを解約したりして、毎月発生している費用を減らしてみましょう。
生命保険や損害保険も、必要以上の保障を付保している人も多いです。
保険ショップなどを活用して、ご自身に見合った保険に切り替えると、確実に毎月の出費を抑えられます。
出費を抑えたい場合は、最初に固定費を洗い出して削減できる部分から取り組むのがおすすめです。
収入を増やせる余地がないか検討する
出費を抑える工夫をするとともに、収入を増やせる余地がないか、検討するのもおすすめです。
近年は、インターネットを活用した副業など、収入を得られる機会は増えています。
比較的取り組みやすい収入アップの方法を、以下に3例紹介します。
- 副業を実施する
- フリーマーケットなどで不用品を売却する
- 各種ポイントサービスを活用する
ご自身に合った収入アップの方法を取り入れれば、家計の収支を改善できるでしょう。
副業を実施する
収入を増やすには、副業の実施がおすすめです。
副業といえば店舗で働くアルバイトなどを連想する人が多いかもしれませんが、近年はインターネットを使って空き時間で取り組めるものも増えています。
クラウドソーシングサービスを使った在宅ワークや、人材派遣会社に登録して仕事を得る方法などがあります。
副業を行う際は、本業の会社が副業を認めているか必ず確認しましょう。
副業で得られる金額によっては、確定申告の義務が生じる点も理解する必要があります。
フリーマーケットなどで不用品を売却する
フリーマーケットなどを活用して、不用品を売却しお金を得る方法があります。
近年は、インターネットを介して手軽にフリーマーケットで売り出せます。
自宅にある使わないブランドバッグやアクセサリー系は、意外に高額で買取してもらえるかもしれません。
ご自身にとってはすでに価値のないものであっても、インターネットを介したフリーマーケットで公開すると思わぬ高値が付く可能性もあります。
自宅のスペース確保にも効果があるため、整理整頓をしながら収入を得られる効率的な方法といえるでしょう。
各種ポイントサービスを活用する
各種ポイントサービスを活用すると、家計の助けになります。
近年は様々なポイントサービスが普及していて、買い物やサービス代金支払いの際にポイントが付与されるケースが増えています。
電気代や携帯電話代などをクレジットカード払いに切り替えるだけで、自動的にポイントが得られる点も見逃せません。
ポイントサービスで得られるポイントは少額ではありますが、積み重ねると意外にまとまった資金になります。
ポイントサービスを積極的に活用し、コツコツとポイントを貯めて借金返済の原資に活用しましょう。
借金完済へのモチベーションを高く保つ
借金返済がきついと感じているときは、借金を完済した後の生活をイメージして、モチベーションを高く保つ意識付けを行うのがおすすめです。
家計が苦しい中で、多くの人が返済資金を捻出する辛さを感じています。
欲しいものを我慢して返済にお金を充てるのを、辛いと感じる人も多いでしょう。
返済を続けるのが辛いと感じるときこそ、完済した後に訪れるであろう自由な生活を連想するとモチベーションが維持できます。
今は苦しくても借金から解放されたら快適な生活が待っていると想像し、返済を根気よく続けるのが大切です。
返済する借金に優先順位をつける
複数の借入先がある場合は、返済する借金に優先順位をつける必要があります。
基本的には、利息利率が高く設定されている借金から返済すると良いでしょう。
利息利率の高い借金のほうが高額の利息を発生させるため、早めに負債額を減らして利息負担を軽減するのが理想的です。
返済の優先順位をつけるためには、ご自身が抱えている借金を整理する必要があります。
借入残高と設定されている利息利率をまとめて、優先的に返済する借金を決めるのがおすすめです。
繰り上げ返済や一括返済により金利負担を軽減する
繰り上げ返済や一括返済により、金利負担を軽減できます。
借金はできるだけ早めに返済したほうが、利息の負担を抑えられます。
利息の計算は、借金の残高をベースに計算されるため、残高を早めに減らすと利息金額も減る仕組みです。
賞与などまとまった資金が得られる機会で繰り上げ返済や一括返済を実行すると、金利負担の大幅な軽減ができます。
少額でも繰り上げ返済を実施すれば負担の軽減につながるので、積極的に取り組むのがおすすめです。
毎月決まった日における支払いに加え、資金に余裕がある場合は繰り上げ返済や一括返済を検討すると良いでしょう。
おまとめローンによる借金の一本化を検討する
複数の借金がある場合は、おまとめローンの利用により借金の一本化をするのもおすすめです。
おまとめローンの実施により、借金の管理がしやすくなるメリットが得られます。
さらに、借金をまとめることにより従来の金利を下げられるケースも多いです。
おまとめローンの利用を検討する際は、実行前と実行後で利息の負担がどれほど軽減されるか試算しましょう。
金融機関に相談すれば、シミュレーションしてくれる場合もあります。
債務整理の利用を検討する
借金の返済がきつくなり、どうしても対応できない場合には、債務整理の利用を検討する必要があります。
債務整理についての詳細は後述しますが、借金に苦しんでいる生活から解放される可能性がある方法です。
借金返済に苦労している人にとっては十分なメリットが得られる方法である一方で、生活上の制限を受けるなどのデメリットも存在します。
借金返済が難しい場合は、債務整理の利点と欠点の両方を理解し、実行するか決めましょう。
どうしても借金返済が不可能な場合は債務整理を実施しよう
どうしても借金返済ができない場合には、債務整理の手段を検討する必要があります。
債務整理は、返済期限の延長や利息負担の軽減および借金自体の減額を受けられるのが利点です。
一方で、信用情報の事故記録がなされて生活に支障を来すなどの欠点もあります。
債務整理を実行する前に、利点と欠点を総合的に理解して実施の可否を決めましょう。
債務整理の主な種類として、以下に4種類紹介します。
- 裁判所を介さず実施できる任意整理
- 裁判所が仲裁になる特定調停
- 借金を大幅に減額できる個人再生
- 原則すべての借金を帳消しにできる自己破産
それぞれの特徴を理解して、ご自身に適した方法を選択するのが重要です。
裁判所を介さず実施できる任意整理
任意整理とは、借入先の債権者と直接交渉して、返済期限の延長などを認めてもらう方法です。
他の債務整理の方法とは異なり裁判所を介さない方法で、債権者を指定して交渉ができます。
一方、債権者との交渉が成功するとは限りません。
大幅な条件緩和を得られない可能性もあるため、生活の改善が得られないケースも多いです。
さらに、任意整理により信用情報に事故の記録がなされるのも避けられません。
任意整理を実行する際は、信頼できる弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。
裁判所が仲裁になる特定調停
特定調停は、簡易裁判所の調停委員が仲裁に入り、債権者と債務者との話し合いを進めて返済条件の見直しなどをする方法です。
任意整理同様、特定の債権者に限定して交渉ができます。
特定調停は裁判所を介しての手続きですが、債務整理の事実が公開されないため、家族や知人に内緒で実施したい場合にも望ましいです。
一方、裁判所に行く手間がかかり、裁判所の予定を考慮して交渉の場を用意する必要があります。
さらに、調停が成立しない可能性もあり、確実に条件緩和を得られる保証はありません。
借金を大幅に減額できる個人再生
個人再生とは、借金返済が困難であると裁判所に認定を受けたうえで、借金を大幅に減少してもらう方法です。
裁判所の認定により、債権者の意向に関係なく確実に借金を減らせるため、強制力がある方法といえます。
条件次第で持ち家やマイカーを保持したまま債務整理ができるため、資産を残しながら借金整理をしたい人におすすめの方法です。
一方、個人再生の手続きには時間がかかってしまいます。
さらに、すべての借金が対象となるため、家族に隠したまま手続きをするのは難しいでしょう。
個人再生を実行すると、国の機関誌である官報に債務整理の事実が記載される点も特徴です。
原則すべての借金を帳消しにできる自己破産
自己破産は、原則的にすべての借金を帳消しにできる債務整理の方法です。
税金や損害賠償金など非免責債権と呼ばれる一部の負債を除き、どれだけ高額の借金を負っていても全額免除されます。
債務不履行に陥った原因や返済の可能性を十分に考慮したうえで認定を受けるため、場合によっては認定が得られない場合もあります。
さらに、借金がすべて帳消しになると同時に財産のほとんどを失います。
生活必需品や最低限の資金を除き、資産がすべて没収されてしまうため、生活様式の変更を余儀なくされてしまうでしょう。
自己破産は借金帳消しと資産の没収が同時に実行される方法であるため、最終手段と捉えて実施を検討する必要があります。
借金返済がきつい原因を知り改善の方法を見つけよう
借金返済がきついと感じている人は、最初にその原因を把握して適切な改善の方法を決める必要があります。
借金返済が厳しくなる要因として、以下のものが多くみられます。
- ご自身の返済能力を超えた借金をしてしまう
- 利息の負担について理解できていない
- 滞納が増えると返済はきつくなる
借金返済ができず滞納を継続していると、以下のような不利益を被るかもしれません。
- 利息が積み重なり遅延損害金が加算される
- 債権者からの一括返済要求を受ける
- 信用情報機関に事故情報が記録される
- 財産などを差し押さえられる
借金を効率よく返済するためには、家計の現状把握と経済的な返済の取り組みが大切です。
以下のような方法を採用して、返済を上手に進めましょう。
- 生活費の収支管理をするためのツールを取り入れる
- 携帯電話代や生命保険料などの固定費を見直す
- 収入を増やせる余地がないか検討する
- 借金完済へのモチベーションを高く保つ
- 返済する借金に優先順位をつける
- 繰り上げ返済や一括返済により金利負担を軽減する
- おまとめローンによる借金の一本化を検討する
どうしても返済ができない状況に陥った場合は、債務整理の実行を検討する必要があります。
債務整理には主に4種類あり、それぞれ利点や欠点に特徴があるため、十分に理解をして実行の可否を決めましょう。